うまくいったものの

うまくいったものの・その2

(前回の話はこちら

今度は無言で左手を身体の前から回して愛ちゃんの身体を抱くように、愛ちゃんの右側の腰に手を回します。
さすがに全身びくっとさせましたが、今度は右手を離して愛ちゃんの左耳にかかった髪をかき上げると、何かを我慢できなくなったのか、愛ちゃんは目をつぶったまま顔を上げてこちらを向きました。
その半開きになった唇に、自分の唇をそっと押し付けます。
「んっ・・」
という声が、唇の端から洩れます。
少しお酒臭い。
腰に回した左手に力を入れると同時に、唇を押し付け、舌をねじ込みました。
するとすぐに反応があり、愛ちゃんの口の中で舌が僕の舌に絡みついてきます。
お互い身体をねじるようにし、僕が両手で愛ちゃんの背中をまさぐりつつ抱き寄せると、恐る恐るといった感じで愛ちゃんも両手を僕の両肩に乗せました。

(これは、このまま最後まで行けるかな)
と思いつつ、貪るようなキスをしていたら、はっと気づいたかのように愛ちゃんが僕の肩に置いた両手に力を入れて顔を離しました。
「ごめんなさい、もう帰らないと」
「ごめん、つい」
「いえ、いいんです、嬉しかったです」
「でももう会えない気がして寂しい」
「大丈夫ですよ、また会いましょう」
「でもお互い遠いし、寂しいな」
「私も寂しいですけど、今日はもう無理」
「じゃあ、もう少しこうしていたい」
と、また顔を近づけると、愛ちゃんは目をつぶって僕の唇を受け入れてくれました。

愛ちゃんは美人というわけではないけど、はにかみながら話すとかわいらしい。恋愛話で聞いたところによれば、今付き合っている人はいないものの、身体の関係はある?というちょっとよく分からない状況のよう。
とても真面目な人なのですが、お相手の男子も真面目な人のようで、それでも正式に交際しているわけではなく、なのに身体の関係はあるとか・・よく分かりません。
キスをしながら、背中に回した両手のうち左手を背中から戻し、服の上からおっぱいをもんでみます。
「ん、ん、・・」
と少し声が大きくなりました。
そのままおっぱいをまさぐり、手を下におろしました。
「・・!」
愛ちゃんがガバっと両手で僕の左手をブロックしました。
「だめ!だめです!」
「なんか我慢ができない」
抵抗をはねのけ、ジーンズのボタンを外してチャックを降ろします。
「ほんとにだめです!ダメダメダメダメ!」
やや強引にショーツ上から大事な部分を触ろうとすると、なんとすでにビショビショなのです。

愛ちゃんが顔を真っ赤にしてベッドから立ち上がりました。
「アタシ濡れちゃうんです、恥ずかしい」
「あっごめん、ガマンできなくてつい」
「今日、弟が帰ってきてるから、本当にもう帰らないといけないんです。それに今日は下着とかもぼろぼろのだし・・ごめんなさい」
ここまで来て、そしてアソコもヌルヌルだというのに蛇の生殺しです。
でも家庭の事情には勝てません。

次の機会と言っても、今日のようにドンピシャでこの辺りに来る機会はないのですが、3か月後に少し遠回りすれば来れる出張の日があるので、その日はどうかと聞いてみます。
すると「はい、じゃあその日を空けときますね」ということになり、そこで今日は諦め、愛ちゃんをホテルの前まで送ってタクシーに乗せ、タクシー代を渡して別れたのでした。

ツインの部屋は、1人の身体には広すぎました。

(つづく)

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