（前回の話はこちら）
S美と最初に会った時の飲み会（この時の話はこちら）に来ていた、M帆が事務をしている病院の看護師R子。
僕は最初、S美と後輩男子N君をくっつけようと画策していて、Ｍ帆とはすでにたまにＳＥＸする関係もほぼ終わっていたので、その時の興味の対象は自然とＲ子になります。
Ｒ子はその時29歳、僕の５歳下でした。
とびきり美人というわけでも、またそそるような身体をしているわけでもなく、今もちょっと顔が鮮明に思い出せないような、印象の薄い女子でした。
当時、「もし結婚するとしたら、こういう人がいいのかもな」と思っていないこともなかったのですが、まだ34歳だった僕は、自然と刺激の強いＳ美の身体に惹かれていくことになります。
とはいえＲ子とはなんとなく気が合ったようで、Ｒ子の友人女子と僕の知人男子との合コンを何度か開催しました。
もうアラサーだったＲ子の連れてくる女子たちは似たような印象の薄い女子ばかりで、それでも合コンでは普通に下ネタもするので、男子もときめきは抱かないものの、気楽に参加できるような飲み会になっていました。
１回合コンを開催すると、２回目にはもうR子とはお互いの知人を連れてくる幹事同士という感じになり、飲み会の最中は自然と他のメンバーは他のメンバー同士で盛り上がってもらい、僕とR子はなんとなく２人で話をするようになります。
３回目の合コンの時、Ｒ子がＳＥＸ観について
「もう今さら順序を踏んでっていうのは面倒なんですよね。お互いの心の探り合いも面倒ですし」
と語っていたので、
「じゃあ男子が変態で、Hの最中にビデオ撮らせてくれとか言ったら？」
と聞いてみると、
「あはは、まあどうぞご自由にって感じですかね」
という答え。
「へ～」
「なんか冷静になっちゃうんですよね、なんで男子ってこういうことしたいのかなって」
「でもアレは嫌いじゃないんでしょ？」
「まあ、好きというほどではないけど、嫌いでもないですかね。まあ私の身体でよければって感じ」
という感じでした。
ほう、これはいい感触だ。
R子とは何度か合コンをしましたが、合コンというのは不思議なもので、同じメンツでまた集まるということはありません。
別に同じメンツがダメというわけではないですが、なんとなく同じメンツで集まるなんて変だよねということで、僕もR子もそれぞれ別の仲間を呼んで、合コンをしました。
呼ぶメンツが尽きてくるのと反比例して、なんとなく２人の距離が近づいてきます。
メールでも、いつもは合コンの日程調整しかしてなかったのが、R子が急に自分の近況を話してきたり。
いくら鈍感な僕でも、ああこれは僕に好意を抱いているなとピンときました。
そんな中、R子から「こんど２人で食事でもどうですか？」と打診が。
今さら順序を踏むのも面倒と言っていたのに、ちゃんと順序を踏んできています。
「そういえば何度も会ってるけど、この２人っていうパターンはなかったね」ということで話は進み、日程を合わせて平日の夜に食事に行く約束を。
当日、お店を予約まではしなかったものの、R子が言った「イタリアンがいいです」ということで会社の近くの気軽に入れるお店を予定し、さて食事の後はどうやって身体の関係に進もうかな・・と考えながら、会社で残業しつつＲ子からのメールを待ちます。
しかし一向に連絡がきません。
日を間違えてたかな？と思ううち、約束の時間を大幅に過ぎた夜８時にようやくメールが。
「ごめんなさい、まだちょっと仕事終わらなくて、今日キャンセルさせてもらっていいでしょうか・・」
そう、Ｒ子は看護師なのですが、配属が産科だったのです。
当時、医師不足や訴訟リスクから、産婦人科医院はどんどん減っていて、そのためどの病院でも産科は繁忙だったのでした。
おまけにお産は薬与えて安静にしてもらって・・では済まないので、タイミングが悪いと「夕方に終わる日勤なのに、深夜になるまで帰れない」ということもよくあった話。
というわけでこの日は何もなく、残業して帰宅しました。
その後Ｒ子からはお詫びと共に改めてのお誘いがあり、今度は日勤から残業になることのない夜勤明けの休務日の夕方に会う約束をしました。
しかしその日の午後に、緊急のお産がいくつも重なりそうだということでＲ子は職場に呼ばれ、またキャンセルとなったのでした。
もちろんその勤め先によっても違うのですが、看護師と付き合うのは本当に難しいんだなと実感しました。
もう少し進展して、合鍵で相手の家に入り浸るような間柄になればいいのでしょうけど、まだその前です。
その後、なんだか僕のほうから連絡して誘うのもがっついてるようだしということでR子からの連絡を待ちましたが、どうもR子も僕に悪いと思っているようで、一向に連絡がきません。
そのまま意地で連絡をしないようにしているうち、結局R子からは一度も連絡もなく、僕も別の女子に意識を持っていかれてそのまま自然消滅となったのでした。
１度くらい、気負わず気楽にハメ撮りしたかったなあと思います。
S美関連で３人の女子と仲良くなれたのですが、結局のところ最後までいくことはありませんでした。
（おわり）
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