(前回の話はこちら)
衝撃だった(告白して返事なし)その飲み会の後、2回もY子と会う機会がありましたが、一向に返事はもらえません。
かといってこちらから返事を催促するのもがっついてるようであれですし、何より断られるのが怖い。
だから、「もう無理だな、諦めよう」と思いながら、さらにもう1度Y子と会いました。
もちろんその飲みの場でも返事はもらえません。
もういいか。
そしてその帰り。
駅で「んじゃ、またね」と別れ、向こうを向いて歩きだしたY子を見送っていたら、そのY子が急にクルリとこちらを向き、
「あ、そうだ」
と駆け寄ってきました。
忘れ物か?と思ったら。
「こないだの話、OKです!それじゃ!」
それだけ言い残して走って行ってしまいました。
・・・というわけでお付き合いがスタートしたのですが、この時点で実はもう終わりが見えていたのです。
それには、いくつか理由がありました。
まずひとつは、価値観の違い。
これには、付き合う前からうすうす気づいていました。
彼女は、家が比較的お金持ちで、エリート意識があり、さらに上昇志向が強いコでした。
そんな彼女の、いくつかのエピソードを…
①
付き合う直前のこと。
飲みに行った時、Y子は僕の左手を見て言いました。
「sucameさん、いい時計してますね」
時計のことはよく分かりませんが
「あ、これ?頂き物なんだけど、3万とか5万とかみたいだね」
と答えました。
するとY子。
「アタシのこの時計、〇〇万ですよ」
・・・・・・。
②
Y子の家が割とお金持ちだということはよく分かりました。
でもY子は
「アタシは、自立して生きていきたいんです」
と、常日頃から言っていました。
Y子の言う「自立」とは、精神的なものと、あとは金銭的なものだそうです。
その割には、一緒に飲みに行ってもY子はお金を払うそぶりがありません。
もっとも、最初から僕がおごるつもりではいます。
でも、できれば会計の後に「あっアタシも払いますから」「いやいや、いいって」「そうですか?じゃあごちそうさまです!」的なやりとりがほしいじゃないですか。
でもY子はそういうそぶりがなく、いつも当然のように先に店を出て、後で「ごちそうさまです」も無し。
まあそれはそれでいいんですが。
そして交際が始まった最初のデートの時。
飲む店はY子に決めてもらったんですが、Y子の選択肢はどこも高い店。
養老の滝に何回行けるかな…という感じです(当時の僕は年収500万くらい。車の維持費でカッツカツ)
でもこの時は、Y子は珍しく「あ、今日は私も出しますから」と言ってくれていました。
で、いよいよ会計。
10,300円でした。
(軽く飲んで万超えか。仕方ない、7:3でいいか…)
と思い、Y子に
「じゃ、3で!」
と指を3本出してお願いしました。
「はい」
と、Y子が出したお金は300円でした。
③
Y子には「上昇志向」がありました。
デートの時にちょっと大きな本屋に寄ったのですが、新刊コーナーでY子が手に取り熱心にページをめくってる本は、とある起業家の「成功の云々」とかいう本なのです。
Y子は「私もこういう人を見習いたいんです」とのことでした。
まあ、悪くはないとは思いますけど・・・
そんなY子とすれ違うのは、正式に付き合ってまだ2週間とか、その頃でした。
(つづく)
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