(前回の話はこちら)
正式に交際が始まったものの、なぜかそれからというもの、逆にすれ違いが多くなりました。
飲みに誘っても予定が埋まっていたり、マンションに行こうとしても「体調が悪い」と断られたり。
さすがに鈍感な僕でも、それが何度も続くと「あれ?」と思ってしまいます。
そうなるとこちらもなんとなく不安になってくるのですが、11月に「話がある」とメールが。
嫌な予感しかなかったのですが、仕事終わりに待ち合わせ場所の駅でひとみと会い、どこかの飲み屋に行こうとすると、「ここで話そう」と。
ああこれは終わったかと思ったら、その通りでした。
いちおう理由を聞いてみると、「やっぱりMさんを捨てられない」と・・DV被害者あるあるです。
早々に帰りたい様子のひとみを引き留め、なおも食い下がって話を聞いてみると、先日に体調が悪いと僕を断った夜、なんと主任Mがひとみのマンションに行っていたんだそう。
そしてひとみいわく「Mさん、夜中ずっと私を看病してくれてたんです」と・・
なんでだよ!と思ったものの、ひとみにとってはそりゃあ僕よりも主任Mのほうが歴史が古いし、職場でも毎日顔を合わせる関係なので情が移りやすいのは当然でしょう。
しかしよりによってなんであんな男と・・
「ごめんねsucameさん、Mさんと待ち合わせしてて、遅れると怒るから、じゃあ」
と、僕は正式に付き合って一か月であっさりフラれてしまいました。
しかし僕も往生際は相当に悪く、ひとみには何度もメールをしました。
ある時は世間話、ある時は飲みに行こうと。
しかしひとみも半端なことに、たまに僕と会ってくれるのです。
心は主任Mに行っているのに、身体は僕だったのでしょう。
なのでその後も何度か飲みに行き、その何回かに1回はひとみの家でSEXをしました。
とはいえSEXできても電気をつけてくれないので撮影どころではなく、おまけにSEX自体断られることのほうが多くて、そのたびに僕は一喜一憂。
僕もどうにかしてひとみを「身体で取り戻そう」と頑張り、一戦終えるとひとみも「離れられない・・」とかいってくっついてくるのですが、一旦離れると冷たくなるのです。
そんな関係が半年くらい続きましたが、ある時フと思ってひとみと会えた日をカレンダーにつけてしばし首をひねってみると、特定の周期と一致していることが分かりました。
それは、月齢。
そのカレンダーには月の満ち欠けの印がついていたのですが、SEXできた日が新月の時と一致していたのです。
そういう周期でひとみが無意識に発情していたのか、あるいはひとみの生理の周期がちょうど28日でだったのかは分かりませんが、それなら次は新月の日を狙って誘えばいいのです。
というわけで確信をもって新月の日に飲みに誘ったところ、断られてしまいました。
その後はもうメールの返信もくれなくなり、本当に終わってしまいました。
(つづく)
コメント